2009/10/10 18:57
夢を見た。
それは、昔の記憶。
俺とレンが出会ったときの話。
俺はまだ幼い…小学校低学年のとき、一人の女の子が俺の家にやって来た。
「…」
「誰?」
俺はその少女に何故か、多少の懐かしさを感じたものの、まずは疑問に思った。
この子は誰? と。
「…」
しかし、少女は黙っていた。
しかも、俺の方を見向きもしない。まるで俺がこの場にいるのに興味が無いみたいだ。
「おうおう来たか」
そんなとき、父がその場にやって来た。
俺の父親は同級生の父より老けている、というか年配だ。俺を産んだときの父の年齢は40代の後半だから。
「司、今日からこの家で一緒に暮らす西表蓮華ちゃんだ」
「一緒に…暮らす?」
いくら小学校低学年の俺でもその言葉の意味は理解していた。
母親が事故で亡くなり、その入れ替わりのようにやって来た彼女。俺は少し混乱していた。
「そうだ。仲良く出来るか?」
もちろんこのときの俺は無垢だったので、たいしたことを考えもせずに頷いた。
「ぼく、つかさ。よろしく」
「…」
彼女は俺の出した手をジッと見つめたまま固まった。
「どうしたの?」
何を思ったのか、彼女は俺から視線をプイと逸らし、その場から立ち去った。
「…」
俺の右手は空中に制止したままだった。
隣の父親は少しだけため息を吐いていた。
それからというものの、俺は彼女とロクに話が出来なかった。俺や寧々、トモ姉が彼女に話し掛けても無視されるという日々が続いた。
そしてさらに彼女は問題児であった。
家のものは良く壊すし、人の話は聞かない、学校では浮いていた。そう、彼女は最低限のことしか喋らないのだ。
そして彼女も俺と同じく剣道をやっていたが、その剣は無情だった。そう、だからとある事件を引き起こしてしまう。
「痛っ!!」
寧々が強い衝撃に飛ばされる。
「寧々!!」
俺は寧々に走り寄る。
「大丈夫か?!」
「ヒック…ヒック…」
彼女は泣いていた。それはそうだろう。彼女はまだ小学校中学年なのだ。仕方が無い。むしろ声を押し殺しているところを褒めるべきだ。
「謝れよ!」
俺は寧々を突き飛ばした相手を睨みつけた。
しかし、彼女はそれに気にすることなく剣道の練習をしていた。
そしてその態度が幼い俺の心に怒りを宿してしまった。
「お前…!!」
「静まらんか!!」
俺が彼女に掴み掛かる直前に、父の怒声が同情内を舞った。
それと同時にその場が静まり返った。
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